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「恵みは追って来るもの」

  • 佐々木 優
  • 2024年2月24日
  • 読了時間: 3分

2024年2月25日(日)

テキスト:詩篇23篇6節前半 (旧約聖書954頁)

 

 この詩篇の著者ダビデは、晩年になって自身の生涯を回顧してこの詩を記したと考えられます。ダビデはユダ族でベツレヘムに住むエッサイの息子で、8人兄弟の末弟、若き頃は羊飼いを職とする者、竪琴の奏者として宮廷に召され、サウル王に仕える頃は戦いに明け暮れる日々(たくさんの人を殺したでしょう)、戦いに勝利をおさめ続け、サウル軍の最高位の地位に登りつめるが、サウル王の妬みを買い、逃亡生活。サウル王の死後、王様の地位に就き、王国の勢力を拡張しますが、安定の王国になると権力を用いて人妻を奪う姦淫事件を起こしました。多くの妻、そばめを持つことによる家庭崩壊とその影響で息子アブサロムを失うという苦しみ・・。そんな自分の生涯を良き羊飼いなる神様が自分を養って下さっていた。万事休すと思った時も神様が守って下さっていた・・。そんな詩が詩篇23篇なのだと思います。

 6節「まことに私のいのちの日の限りいつくしみと恵みが私を追って来るでしょう。私はいつまでも主の家に住まいます。」

 本日は前半部分から学びたいと思います。

①「恵み」とは

 旧約聖書で「恵み」と訳されていることば、これは「良いこと」とか、「善」とか、「誠実」、「慈しみ」という意味があります。そこには以下のような意味が含まれているようです。

 第一に、「選ばれた民に対する神様の不変の愛」です。これは旧約聖書の預言者のメッセージです。イスラエルの民が契約に不誠実で一時的なさばきを受けているにも関わらず神様の慈しみは変わらない。人々を解放し、神様ご自身との交わりに再び回復して下さるというメッセージです。

 第二に、「契約に基づく愛」です。神様はアブラハムと契約を結ばれました。しかもこの契約は不平等契約、片務契約(神様の側だけに履行義務がある契約)でした。そして神様はその契約を守り続けて下さいました。人間は契約に忠実でなかったことがあります。その時も、片務契約を結んだ神様はどこまでも忠実に契約を守って下さいました。これだけやったからこれだけもらえるというしくみは神の国ににはないのです。

②「恵みが追って来る人生」とは

 「追って来る」とは、どこまでも追い求めるという意味を表すもともとのことばです。福音の中心は下から上にではなく、上から下へという方向です。福音は人間が神様の恵みに到達することではありません。神様の恵みが私たちに注がれているのが福音です。人間が神様の恵みに達するのではなく、神様が下さる恵みを頂きながら生かされていくということです。福音は人間が積み上げるものではなく、神様から頂くもので、これを恵みと言います。一般の哲学や宗教は上に向う招きです。頑張れ頑張れ、自分を律せよ自分を律せよと、頑張りながら神様に受け入れられることを求めていく、これをパリサイ主義と言います。ところがイエス様は全く逆の方向を示されました。ただ神様の愛を恵みとして受ければ良いと言って下さったのです。パリサイ主義は上に向かって這い上がらせるものです。律儀に宗教行為を繰り返します。しかし繰り返せば繰り返すほど自分をどんどん縛るようになります。自分を縛り不自由になります。キリスト者の成長はみことばに触れ、お祈りをし、そういった中で培われていく面がありながら、厳格で規律正しいキリスト者になることを目指すものではありません。

 晩年になったダビデが自分の生涯を振り返った時、自分で色々なものを取りに行こうとしていたけれど、実は、神様の恵みが追いかけて来ていた人生だったと気づいたのではないでしょうか・・。恵みが追って来る、これが神の民の人生だということです。恵みを追いかけるのではありません。私のいのちの日の限り神様の恵みが追って来るのです。

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