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「律法を行うことによっては神の前に義と認められない」

  • 佐々木 優
  • 2022年9月10日
  • 読了時間: 3分

2022年9月11日(日)

テキスト:マルコの福音書12:28~34 (新約聖書94頁)


 律法学者の仕事は、多岐にわたる律法の規定を様々に分類し、優先順位や相互の関係を分析することであり、他方、すべての命令を1つに集約し、律法の全体を把握することにも多大な関心があった。

 28節「律法学者の一人が来て、彼らが議論するのを聞いていたが、イエスが見事に答えられたのを見て、イエスに尋ねた。『すべての中で、どれが第一の戒めですか。』」

 イエス様はこの質問に、申命記6:4、5とレビ記19:18を引用して答えた。

 「第一の戒めはこれです。『聞け、イスラエルよ。主は私たちの神。主は唯一である。あなたは心を尽くし、いのちを尽くし、知性を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。』

第二の戒めはこれです。『あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい。』これらよりも重要な命令は、ほかにありません。」(29~31節)

 申命記6:4、5は、ユダヤ人が朝夕唱えていた「シェマ」(ヘブル語で「聞け」の意味)の一部であり目新しいものではなかった。ただイエス様はそれを戒めとしてではなく愛の行為として、復唱することばとしてでなく現実生活での実践として教えたのである。

 ユダヤにおいて宗教は愛のない戒めを意味し、学者たちが教えるのは生きて働かない観念でしかなかった。しかし、この律法学者はイエス様の答えに共感したようである。

 32~33節「律法学者はイエスに言った。『先生、そのとおりです。主は唯一であって、そのほかに主はいない、とあなたが言われたことは、まさにそのとおりです。そして、心を尽くし、知恵を尽くし、力を尽くして主を愛すること、また、隣人を自分自身のように愛することは、どんな全焼のささげ物やいけにえよりもはるかにすぐれています。』」

 全焼のささげ物やいけにえはユダヤ教においては欠くことのできないものであったが、愛はすべての戒めにまさってすばらしいとの見解をこの律法学者は示した。

 そんな律法学者にイエス様は語られた。「あなたは神の国から遠くない。」(34節)

 この律法学者は「神の国から遠くない」のだけれど、神の国に入ってはいないのである。律法の理解はイエス様の理解に近く、律法の真意に基づき、愛の行為の実践がなければならないと思っていたのである。しかし、神の国に入る唯一の道はイエス様を信じることなのである。イエス様を罪からの救い主として信じることなのである。

 ローマ人への手紙3:10にはこのように記されている。「義人はいない。一人もいない。」ローマ人への手紙3:20~22「なぜなら、人はだれも、律法を行うことによっては神の前に義と認められないからです。律法を通して生じるのは罪の意識です。しかし今や、律法とは関わりなく、律法と預言者たちの書によって証しされて、神の義が示されました。すなわち、イエス・キリストを信じることによって、信じるすべての人に与えられる神の義です。」

 ヨハネの福音書14:6にはこう記されている。「イエスは彼に言われた。『わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれも父のみもとに行くことはできません。』」

 本日の聖書箇所の律法学者は、律法を詳細に分析し、戒めをただ唱える律法学者とは違った。律法を聞いて愛の実践を行なおうと思う者は、イエス様を罪からの救い主として信じることに近い者であるということが本日の聖書箇所から分かる。しかし、人はだれも、律法を行うことによっては神の前に義と認められないのである。

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