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「主が良くしてくださったことを何一つ忘れるな」

  • 佐々木 優
  • 2023年2月19日
  • 読了時間: 2分

2023年2月19日(日)

テキスト:詩篇103篇1~5(旧約聖書1,040頁)

 この詩は、バビロン捕囚(紀元前586年)からの帰国(紀元前539年)を果たし、エルサレム神殿の再建が実現した(紀元前515年)喜びの時代に書かれた詩であると考えられている。(ダビデを記念して作られた詩)

 「わがたましいよ主をほめたたえよ。」(1節)詩人は自分に向けて語っている。「私のうちにあるすべてのものよ聖なる御名をほめたたえよ。」(1節)「私のうちにあるすべてのものよ。」この脳が、この首が、この肩が、この腕が・・・すべて神様の御手の中にあって守られた全てが・・という意識であろう。

 2節「わがたましいよ主をほめたたえよ。主が良くしてくださったことを何一つ忘れるな。」

 神様が良くして下さったことの1つ1つが列挙される。

 ○「すべての咎を赦し」(3節)イスラエルの民は神様のみこころに反し、偶像崇拝の罪を犯し続けた。それは約300年間という長きに亘るものだった。神様はわたしに信頼しなければ異邦人に滅ぼされると預言者を通して繰り返し警告していたにもかかわらず、北イスラエル王国は200年余り無視し続けた結果、アッシリヤという国に滅ぼされる。その後、北イスラエル王国の教訓を生かすことなく、南ユダ王国も無視し続けたため、バビロン帝国によるエルサレム神殿の崩壊、南ユダ王国の滅亡という悲劇を招いた。神様への背信の結果、イスラエルの民は約50年間にわたる捕囚民という憂き目にも遭った。しかし、神様は時至って、イスラエルの背信の罪をすべて赦して下さった。

 ○「あなたのすべての病を癒やし」(3節)イスラエルの民のバビロン捕囚とエルサレムの荒廃のことを指す。

 ○「あなたのいのちを穴から贖われる。」(4節)滅びの穴であるバビロンから神様は救って下さった。そして、「恵みとあわれみの冠をかぶらせ」て下さったと詩人は語る。神様の「恵み」は、愛するに値しないと思えるような者をなお愛し続け、その愛によって私たちを罪の支配から解放することに現されている。「あわれみ」は、真実な父が放蕩息子に対して抱くような思いを表す。

○「あなたの一生を良いもので満ち足らせる。」(5節)神様が良くして下さった数々を思い起こすことによって、この後も良くして下さる神様に信頼を置くことができ、結果、魂は満たされるのである。その主の御業への感謝は、鷲の羽毛が生え変わるように、繰り返し若さを新たにするのだと詩人は語る。

この詩は咎を赦して下さった神様への感謝が溢れ出ている。

私たちも主が良くして下さった数々を思い起こすことで魂が満たされるのである。


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