「どんな人をも滅びることを望まれない神」
- 佐々木 優
- 2023年8月5日
- 読了時間: 2分
2023年8月6日
テキスト:ヨナ書1:1~17(旧約聖書1,577頁)
ヨナ書の一番大きなテーマは、「どんな人をも滅びることを望まれない神様」であると言えます。その趣旨に沿ってヨナ書を見ていきたいと思います。
2節「立ってあの大きな都ニネベに行き、これに向かって叫べ。彼らの悪がわたしの前に上って来たからだ。」預言者ヨナに神様からの特別な使命が与えられました。当時の紀元前700年代頃のニネベはアッシリア王国の首都であり、当時近隣のバビロンをもしのぐ世界最大の大都市と言われました。現在のイラクの中心の町にあたります。当時、アッシリアが征服民に対して行った拷問と虐殺の残忍さは周知され、恐れられていたということですが、このアッシリアという国が道徳的に腐敗し、神様の御心に反し、それが限界に達した故に、神様はヨナを遣わして、異教の民ニネベの罪に対して罪の悔い改めを訴えよと告げたのです。
しかし、ヨナはその使命を放棄しました。それは、後のヨナ書4:2のヨナの告白にある通り(「ああ、主よ。私がまだ国にいたときに、このことを申し上げたではありませんか。それで、私は初めタルシシュへ逃れようとしたのです。あなたが情け深くあわれみ深い神であり、怒るのに遅く、恵み豊かで、わざわいを思い直される方であることを知っていたからです。」)、ヨナの宣教によってニネベが悔い改めて、神様がわざわいを思い直され、ニネベが栄えていくなどということが起きたとしたら、それは、ヨナにとってはあってはならないことだったからです。悪いことをしているのだから、神様の怒りを受けて滅びてしまえばいいのだと思っていたのです。
ヨナはイスラエルの国の繁栄を熱心に求めた愛国者でした。神様の救いは選民ユダヤ人のみに限られるべきと考えていたのです。ヨナ等の愛国者にとっては、ユダヤ人以外はみな敵であったのです。ヨナにとっては、敵国アッシリアの復興を見るよりは、むしろ死んだほうがましだと思ったのです。ヨナの信念はすごいです。それは神様の御旨に沿ってはいませんでしたが。
神様の御旨は、御自分が命を与えた全ての人間が滅びることを決して望んでいないのです。それは、当時のアッシリアのような民(征服民に対して行った拷問と虐殺、残忍、道徳的に腐敗)であっても同じです。「わたしは、この大きな都ニネベを惜しまないでいられるだろうか。そこには、右も左も分からない十二万人以上の人間と、数多くの家畜がいるではないか。」(ヨナ書4:11)