「ありのままの祈りの中から」
- 佐々木 優
- 2022年12月31日
- 読了時間: 3分
2023年1月1日(日)
テキスト:詩篇55:1~23 (旧約聖書988頁)
この詩篇の作者ダビデは心身共に疲れきったどん底のような状態で神様に祈っている。
1~3節「神よ私の祈りを耳に入れ私の切なる願いに耳を閉ざさないでください。私をみこころに留め私に答えてください。私は悲嘆に暮れ泣き叫んでいます。それは敵の叫びと悪者の迫害のためです。彼らは私にわざわいを降りかからせ怒って私を攻めたてています。」
ダビデは必死に叫んでいる。それは神様が「私の切なる願いに耳を閉ざ」しているように感じられたからである。ダビデは親しい友から裏切られ、胸も張り裂けるほどに悩み苦しんでいるが、神様は何もしてくださらないかのように感じている。
そのような中ダビデは、自分の内側に沸き起こった感情を自分で制御しようとはせず、そのままを言葉にして祈った。4~5節「私の心は内にもだえ死の恐怖が私を襲っています。恐れと震えが私に起こり戦慄が私を包みました。」
そしてダビデは逃げ出したいような自分の気持ちをこのように素直に表現する。6節「ああ私に鳩のように翼があったなら。飛び去って休むことができたなら。」
しかもダビデはその上で、逃げ場のない自分の現実を描く。彼の住む町の中には、「暴虐と争い」(9節)「不法と害悪」(10節)「虐待と詐欺」(11節)が満ちていると述べている。そればかりか、最も近しいはずの人が最も恐ろしい敵となっていると語る。(12~14節)
そのような中ダビデは、「荒野」を「私の逃れ場」と描く。(7~8節)それは、誰の保護も受けられない、孤独で不毛な場所だからこそ、「神様だけが頼り」となるということである。
更にダビデは神様に、赤裸々に、自分に迫害を加える敵がこの地上から死んでいなくなればいいと祈っている。15節「死が彼らをつかめばよい。彼らは生きたままよみに下るがよい。悪が彼らの住まいに彼らのただ中にあるからだ。」23節「しかし神よあなたは彼らを滅びの穴に落とされます。人の血を流す者どもと欺く者どもは日数の半ばも生きられないでしょう。」
ダビデはこの祈りを通して、恐怖におびえた心を、迫害者に対しての苦々しい思いを、そのまま神様にさらけ出している。神様が沈黙していると感じた時もあったが、祈りが応えられたという実体験を経て、このように語る。「あなたの重荷を主にゆだねよ。主があなたを支えてくださる。主は決して正しい者が揺るがされるようにはなさらない。」(22節)
「ゆだねる」の本来の意味は「放り投げる」ことであり、自分の思い煩いや恐怖心を、そのまま神様の御前に差し出すことである。私たちも、神様にまず、自分の混乱した感情を、正直に、あるがままに注ぎ出す必要があるのではないか・・。そのようなプロセスを経て、私たちもダビデと同じく、支えてくださる、支えてくださっている神様を知っていくのである。